ライトノベル

今月のSFマガジンの来月号予告欄に 新城カズマ新作 の一文が。「異色経済SF」ということで、「蓬莱学園の犯罪」以来の(?)経済ネタ炸裂か?! よくよく考えたら、「サマー/タイム/トラベラー」も地域通貨の話が背景にあったし、 何かと「通貨量」に…

基本的にこの日記は愛でできているわけなのだが、たまにはディスものもよかろうという個人的な判断から以下の文章を書きます。まずかったら、ばっさり削除よろ(てら、じょせ)。さて、SFマガジンを手に取り、そこに「ゼロ年代の想像力」なるアジびらを見つ…

まんたんブロードで新城カズマが新作の連載を開始した模様。ゲットしにいかねば。 そして、蓬莱メモリンク。非常にためになります。感謝です。 http://www.medias.ne.jp/~manase/history/hourai/hourai.html

新城十馬の「蓬莱学園の革命!1」と「蓬莱学園の初恋」を読む。「蓬莱学園の革命!」の続きはでないのか、続きは。面白すぎるぞ、この展開。「蓬莱学園」シリーズは世紀の傑作といっても過言ではあるまい。複数の物語が支流となって、1つの本流へとなだれ…

「涼宮ハルヒの分裂」読了。個人的感想。・なんつーか、分岐構造の導入はどうなんでしょうか。 ・そして、今更ながらに「この小説はSFのガジェットを用いた恋愛小説なのね」ってことを思い出しました。キョンと過去仲の良かった女人が現れることで、分岐が生…

人生で尊敬している人間を3人挙げろと言われれば、YOU THE ROCK!とQUINE、そして新城カズマの3人があがりますが、今日は我が尊敬すべき新城氏のクラシック「蓬莱学園」シリーズの中の「蓬莱学園の犯罪(上)」評を書いてみようと思います。この作品は、富…

桜坂洋の「ALL YOU NEED is KILL」と「よくわかる現代魔法 たったひとつじゃない冴えたやりかた」読。「ALL YOU NEED is KILL」はとてもよくできている。というか傑作。TRPGをそのままラノベに持ち込んだ「フォーチュンクエスト」のように、コンピュータゲー…

イーガンの短編集「ひとりっ子」の「ルミナス」を読み終えました。感想はイーガンは神!という一言でしょうか。以下、ネタばれ含む。

久々のラノベ評。「七つの黒い夢」と題されたアンソロ本に収録された桜坂洋「10月はSPAMで満ちている」は少し大人になった嘉穂が主人公のミステリです。以前書いた「よくわかる現代魔法」評*1で、『異なる言語共同体において、異なる意味を担わされている単…

うそつき―嘘をつくたびに眺めたくなる月 (新風舎文庫)作者: 日日日出版社/メーカー: 新風舎発売日: 2005/08メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (93件) を見る 読みました。移動中に読む本にしてたので意外と時間かかったな〜。 えーとこの本…

第9回は桜坂洋の「よくわかる現代魔法―jini使い」です。個人的に大好きな嘉穂が主役の巻です。嘉穂祭り!「おっとテレポーター」こと嘉穂はこの物語の中でいわば普通の人という役割を与えられています。つまり、現代魔法の使い手でも古典魔法の使い手でもあ…

第8回目は、日日日「狂乱家族日記 参さつめ」です。 あいもかわらず文章のうまい日日日さん。今回はいつになくシリアスな内容で。やっぱりその軸で回り始めたかという感がある「家族」ってなんぞやみたいな筋に、少々疲れながらも、やはり文章がうまいからで…

蟲と眼球と愛の歌 (MF文庫J)作者: 日日日,三月まうす出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2006/08メディア: 文庫 クリック: 15回この商品を含むブログ (38件) を見る kase氏いわく「今イチ押しのライトノベル作家」日日日*1の『蟲と眼球』シリーズ…

邪魅の雫 (講談社ノベルス)作者: 京極夏彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/09/27メディア: 新書購入: 3人 クリック: 51回この商品を含むブログ (619件) を見る *1 で『邪魅の雫』。 邪魅だなんて、シリーズを重ねるごとにマイナーな妖怪がタイトルに登…

第7回は、日日日の「狂乱家族日記弐さつめ」です。今作は、「家族」が新婚旅行に行くという設定で話が進みます。そして、行く先々で巻き起こる大騒動。その首謀者はいつもどおり新妻で毒舌家で神でねこみみ娘の凶華なわけなのですが、そうした大騒動の中に凶…

第6回は、日日日の「狂乱家族日記壱さつめ」です。災いをもたらす能力を「もしかしたら」持っているかもしれない6人といきなり「家族」ごっこをはじめることを強制される主人公。その「家族」ごっこの中で生じる混乱を「家族」がどう切り抜けてゆくのか、こ…

第5回目は、機本伸司「神様のパズル」です。第3回小松左京賞受賞作のこの作品をラノベ分類するのはどーなのよという意見もあるかと思いますが、kase的にはこの作品もラノベです。まずジャンルに対する意識としてSF(宇宙の作り方の考察、そしてのその実行…

第4回目は、桜坂洋「スラムオンライン」です。とてもおもしろい小説でした。この作品は小説内における他ジャンルへの参照ではなく、ネットゲームと格闘ゲームという他メディアへの参照が志向された作品です。その意味では、カクゲーやネトゲに対する知識の…

第3回は、椎野美由貴「バイトでウィザード」〜流れよ光、と魔女は言った〜、です。この本を手に取った理由は、サブタイトルがディックの例の奴*1のインスパイアだったという点につきます。読んでみたところ、どこかしらディックなライトノベルでした。作品…

第二回目は、桜坂洋「よくわかる現代魔法」です。この作品は、作品の構造としてはとてもシンプルなライトノベルです。読みやすさを志向し、ジャンルに対する意識としてはコバルト系の少女小説とファンタジーに対する参照が強いです。ファンタジーといっても…

kaseが読んだラノベの感想を挙げていきます。 第一回目は、新城カズマのサマー/タイム/トラベラー(1)です。この作品(以下、STT)のすばらしさは、何よりもラノベの文法をフルに使い切っているという点にあると思われます。新城カズマは「ライトノベル「…