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- 作者: 日日日,三月まうす
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
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買ってから読むまでちょっと間がかかってしまった。
このシリーズに関しては、とにかく「眼球抉子」という名前を創出した時点で、勝利条件が満たされてますね。
視覚的にインパクトもあり、意外と語感も気持ちよい。ステキな名前だ眼球抉子。
そんなグリコは、今回「グリ坊や」とか「ガンコ」と呼ばれて困っていました。
なんてかわいいんだ…!!
しかし、そんなかわいいグリコをめぐる状況は、いよいよ混迷というか無惨を極めてきた観があります。
このままではどうあれグリコの心の負債は増すばかりな気がする―。
いよいよ「化けもの」としての自分から目を背けようがなくなってきているし、心配でたまらん。
と、グリコのピュアっぷりが涙を誘うのは毎度のコトですが、今回は他の部分でも泣けました。ほんと最近涙腺が劣化してるなー。
でも、手長鬼=梅ちゃんと最弱=ゼキくんのエピソードとか、無力感に苛まれつつケータイに「うさりん閣下」との愛のメールを確認してる愚龍とか、まあベタといえばベタですが、ベタなだけに泣けますよ。
日日日は文章も上手いし。
関係における「ままならなさ」の中でも、籍口と愚龍がはまっているのは、自分の思いに自分が応えられない、ってタイプの「ままならなさ」なので、全責任が自分に降りかかってくる辛さがあるなー。
次巻完結というコトで「大きな破片」の面々も出揃い、かつ背景も明らかになって、いろんな伏線も収束してきてる感じだけど、はてさてどうなってしまうのでしょうか。
一人部屋=肉山カヂリと破局=ブレイクサンは、萌えるふたり組なので幸せになってもらいたいが、このままでは厳しそうだし、涙歌はやっと感情移入できそうな側面を見せたと思えば大変なコトになるし、最弱もたとえ願いを叶えたトコで幸福とは程遠そう。
うーん。クライマックスに向けて素晴らしく盛り上がってますね。陰鬱に。
もちろん面白ければ、明るい結末でなくても大歓迎。しかし気を揉む揉まないは別の話だから。
ハラハラします。
願いとしてはみんなの幸福ですが、『蟲と眼球』シリーズは「セカイ系」という、曖昧でジャンルといえるかどうかもわからないカテゴリに、かなり自覚的に挑んでる印象があるので、その辺でも締めくくり方を楽しみにしています。
『うそつき―嘘をつくたびに眺めたくなる月 (新風舎文庫)』も買いました。joseの脳内において最も高い位置にあるいくつかの椅子。そのひとつを占める高橋葉介が表紙を描いているので、むしろ今まで購入していなかったコトに罪悪感。
さあ、次はこれ読むよ!
*1:joseも同意見です。