読みました。移動中に読む本にしてたので意外と時間かかったな〜。
 えーとこの本に関してはまずジャケですよ。カバー絵ですよ。
 高橋葉介によるジャケットが素晴らしいんですよ。
 しかもこれはリバーシブルになっていて、ひっくり返すと、無粋なISBNコードとかあらすじ解説とかがない。表紙も背表紙も裏表紙も通しての一枚絵が現われる仕組みに!新風舎はいい仕事をするね。
 表紙と裏表紙が対応する関係の構図になっていて、やはり高橋葉介はこういう整った構成の美しさを演出するのが上手いですね。
 いやー、いいジャケットです。神ですね。
 「神ジャケ」と言えます。


 内容の方ですが、「十代の女の子」っぽい文体を使って書かれた、ナイーヴでかつひねくれた十代の女の子による「愛ってなんだ?」という問いをめぐるお話でした。*1
 そういう内容なので、当然のごとく恥ずかしいとゆーか、こちらとしては「その場所はすでにn年前に通過しているッ!」って感覚の悩みなので、結構むずむずしました。
 やっぱり非現実的な能力を駆使したアクションとか、開き直ったようにあからさまな萌えキャラとかが出てきた方が、そういう「普通の悩み」のテーマはすっきり読む人に届きやすい気がしますね。
 普通の話を普通にされても、「普通だな」と思ってしまう。
 面白かったけど、コテコテのラノベ日日日の方が、やっぱり圧倒的に魅力的です。
 せっかくの綺麗な文章もちょっと崩しちゃってるしなあ。

 つづいてはkase氏所蔵の『狂乱家族日記』にとっかかって、それから『アンダカの怪造学』シリーズかなあ。

*1:この点では舞城王太郎阿修羅ガール』を連想させます。あっちはあっちで面白い。