SFや探偵小説の元祖だのなんだのいわれがちなエドガー・アラン・ポー。その宇宙論を(当時の科学者や思想家の説をかなり転用したものとはいえ)大胆に展開した長編詩「ユリイカ」を読みました*1

感想。いやー、驚きました。アリストテレスやベーコンへの嫌しから始まって、ケプラーの法則ニュートン力学が「一貫性」(consistency)を原理に成立してゆく様を壮大なスケールで叙述しています。演繹的正当性でも帰納的正当性でもない第三の道としての整合的正当性を一貫して主張しています。おもしろい。探偵小説の原理、ここにありといった感じでしょうか。楽しい読書でした。

*1:あの哲学者クワインが愛好していたことでも有名