ひぐらし

ひぐらしく頃に」をクリアしました。と、いうか、全部読み終わりましたよ〜。
 最終話「解」の「祭囃し編」、週末を使い切ってしまった。
 シリーズ完結にふさわしいボリュームに密度、お腹イッパイです。泣いた。*1
 結論からいうと、joseにとって一番の萌えキャラは北条悟史くんですっ。ポンコツで兄属性の美少年。気弱な笑顔。困った時の「むぅ」。うーん。萌える。*2妹の沙都子も、いたずら好き、けなげ、ぶきっちょ、世話焼き、etcと破壊力抜群で、萌やす兄妹なことです。
 まあ、その他のキャラも基本的に全員好きなんですけど。繰り返される昭和58年6月を、これまでいろんなキャラの立場から経験しちゃってるので、みんなに思い入れざるをえないのだ。今では大石刑事や鷹野さんまでが愛せます。どこにも悪い奴なんていない。

 ひさびさにここまで徹底的にポジティヴなお話に遭遇してしまって、ちょっとびっくりしました。
 「祭囃し編」で言ってるコトって、早い話が「みんなが信じあって力を合わせれば出来ないことなんてない」に尽きるもの。こうやってひと言にまとめると、なんて驚くほどに恥ずかしいテーマなんでしょ。でも、「鬼隠し」から「皆殺し」、最終話に至るここまでずっと読んできていると、違和感なく納得してしまう。もちろん現実の世の中そんなに甘くねーよ!と突っ込むことも出来ると思うけど、そんな野暮はする気になれない。現実どおりがいいならゲームもアニメもマンガも初めっから必要ないし。
 繰り返される昭和58年6月を惨劇から救うため、バッドエンドを回避して、6月の向こう側の未経験の未来に至るため、なんどもなんども0からやりなおす。悲惨な結末にたどりつくたびに、真相を知るために、はじめに戻る。
 そうやって、ひぐらしの世界は際限なくリセットを繰り返しているわけです。けれどもそれは失敗を「なかったこと」にするのとは違う。むしろひぐらしのテーマは、そうやって「なかったこと」にしたらいけないんだ!ってことなのだと思います。これまたそのまま書くと赤面なんだけど。
 「鬼隠し」から「皆殺し」までで得た、連続怪死事件の真相にまつわる情報を忘れてもいけないし、そこで惨劇の結末を迎えてしまったとき、自分の、自分たちのなにがいけなかったかを忘れてもいけない。
 過去の失敗をやりなおすには、それをなかったことのしないで、反省して、学んで、成長しないといけないんだ!そんなやたら熱いメッセージがあふれているのが「祭囃し」です。
 だけど、そんなベタなメッセージをちゃんと届かせるっていうのは、これはかなり結構スゴイ。ど真ん中のストレートでストライクを取るには、そこまで駆け引きも必要だし、もちろん素晴らしい球威が必要です。
そして、ひぐらしにはそれがあったってことなんだと思う。


 テーマをおいといても、ホラー、ミステリ、コメディ、伝奇、ハードボイルド、いろんな要素がぎちぎちで、ライトノベル的なジャンル関係なしな盛りだくさんで、とにかく楽しかったし。これまでのシリーズにはなかった、ある程度ランダムにエピソードの断片を見ていける「かけら紡ぎ」も、いろんな側面から事件についての情報を集めていく感じがワクワクしてよかった。各キャラの特技や特徴も、ギャグのフックだったはずが、最終的にはストーリーの進行にステキに組み込まれているし、なんのかのといってとても綺麗で破綻してないよなー。「ミステリ的にはアンフェア」とは言われそうだけれども。
 長ーいお話でしたが、最後まで読んで良かった、と思えました。

 コンシューマ版の『ひぐらしのなく頃に祭』も出るらしいけど、追加要素あるのかなー。気になる。*3

*1:最近「泣いた」多いな。涙腺の経年劣化なのか!?

*2:とはいえ悟史くんは基本的に昭和58年6月において出番がない。残念なり。

*3:調べてみたら、オリジナルのシナリオが数本追加されるみたい。うーん、やりたいな。むぅ。