今日は色々あった。


郵便受け開けたら、
渡辺明乃さんが女帝として君臨なさっている正統派社会人ヘヴィメタルバンド「ちびらり」の2ndCD「にまいめ」が届いていた。


ネギま!22巻限定版』を予約にとらにいったらなんだか断られ、
閉店間際のメイトに駆け込んでなんとか予約してきた。


あと、
調子にのって「なつ×こた」SSを書いてみた!


ちづ姉誕生日おめでとうSSで足りなかったなつこた分を自分で生産したぜ!


今回は短めな分オチがねぇ!


タイトル
「なつこたデート! vol.1(仮)」




「なつこたデート! ver.1(仮)」


 「ねえ〜。いいかげんまだなの〜。」


 「もうちょっと待っててね。すぐ終わるから。」


 ここは麻帆良学園中等部の女子寮。665室。広々としたリビングから、なにやら焦っている村上夏美と、急かされている那波千鶴の声が聞こえる。
 今日は日曜日。しかも、部活も補習授業も何も無い、正真正銘の休日である。どうやら夏美は、誰かと出かけるらしく、普段よりも着飾っていた。


 「夏美ちゃん、おまたせ。さあ、デート楽しんでらっしゃいね。」


 「も〜、デートとか、そういうんじゃないよ〜。」


 なにやらうれしそうな顔つきで千鶴が部屋から出てくる。そしてその脇には、落ち着かない表情をした小太郎が抱えられていた。


 「千鶴姉ちゃん!なんでこんなカッコせなあかんねや?動きづらくてしゃあないわ!」


 小太郎が不満を漏らす。しかし千鶴は全く意に介さないそぶりで、


 「あらあら、せっかくの夏美とのデートなんだから、綺麗な格好しなくちゃダメよ。」


 と小太郎をなだめる。
 小太郎は例の年齢詐称薬を使っている様子で、見た目は十代後半の姿をしていた。千鶴に無理矢理着せられたらしいスーツが新鮮といえば新鮮だが、着慣れていない感丸出しといえばそうとも言えよう。


 「こんなカッコして喜ぶのネギくらいなモンやで!」


 執拗に食い下がる小太郎。しばらく千鶴と口でやりあうが、いつものように千鶴にのらりくらりとかわされた挙げ句、「尻にネギを刺すわよ」の殺し文句で強制的に納得させられてしまった。
 夏美はというと、「馬子にも衣装」と言ってしまっては小太郎に失礼ではあるが、普段とは違う大人びた感じに見とれていた。


 「わかったわかった!ほな夏美姉ちゃん、行こか!」


 小太郎の声で割れに帰る夏美。


 「えっ、あっ、うん。そうだね。」


 小太郎に促され、夏美と小太郎は部屋を後にする。「明日の朝まで帰ってこなくてもいいからね〜」という千鶴の応援(冷やかし?)の声を後にして。




 デートといっても、中学生のそれであるからたかが知れている。街をブラブラして、映画でも観て、ファーストフード店でハンバーガーでも食べながらダラダラ喋って、というパターンが一般的であろう。
 夏美と小太郎もそれに漏れず、ベタに映画など見終わって、普段より遅めの昼食兼時間つぶしの最中であった。


 「それでね、あの女優さんは別の映画では…」


 少し興奮気味に出演女優について語る夏美。夏美は、その女優の大ファンであるらしい。しかし小太郎は全く興味が無い様子で、コーラをブクブクさせながら夏美の声を上の空で聞いていた。


 「ちょっとコタロー君、ちゃんと聞いてるの?」


 「えっ、ああ、聞いとるで…」


 一応の返事をするが、やはり小太郎は夏美の話している事には興味が無いようである。しかし夏美は夏美で、小太郎と二人っきりでいることが楽しいようである。その上、自分の好きな女優の素敵な演技を観た事により、普段ではあり得ないほどのハイテンションにあった。
 夏美の話をぼんやりと聞いていた小太郎であったが、そのとき、ふと気づいた。夏美がこんなに熱中している姿を見たのは、恐らく初めてであろう。
 夏美が演劇を好きであることは何となく知っていたし、演劇に誘われた事も会った。しかし、麻帆良祭の際には色々と面倒なことが起こったために夏美の演劇を見に行くことができなかったし、それ以前以降にも、夏美が演技をしていたり、演劇に関わっているときの夏美を見たことが無かった。
 それがどうだろう。いつもは千鶴にいじられて半泣きになっていたり、なにかと控えめな夏美が、普段とは比べ物にならないほど輝いて見える。


 「コ、コタロー君。何見てるの?私の顔に何かついてる?」


 夏美が怪訝そうな、しかし少し照れたような感じで尋ねる。小太郎はどうやら、いつの間にか夏美のことを見つめていたようである。


 「いやな、夏美姉ちゃんがこんなに楽しそうにしゃべってるのって初めてみたな、と思ってな。夏美姉ちゃんは、ホンマに演劇が好きなんやなー、と思って。そうして楽しそうにしてる夏美姉ちゃん、いつもよりもかわいく見えるで!」


 夏美の顔が、一気に真っ赤になる。コタロー君に「かわいい」って言われた!


 「そっ、そんな…。今日のコタロー君も何かかっこいいし…。そりゃ、演劇も大好きだし…。でもコタロー君のことも…」


 何やら急にモジモジしだす夏美。何か言っているのだが、ゴニョゴニョ口ごもっていて小太郎には全く聞き取れなかった。


 「夏美姉ちゃん、急に真っ赤になってどないしたん?それに、何ってるかわからんで?」


 「な、な、な、何でもないよ〜!顔が赤いのは、顔から赤外線が出てるからだよ〜!」


 夏美と小太郎の仲は、まだまだ前途多難なようである。